観察・撮影マナー
立ち入り禁止・私有地に入らない
良い写真を撮ろうとするばかり踏み込んでは行けない所まで侵入してしまう方がいらっしゃいます。
立ち入り禁止には理由があり、そこに危険が潜んでいる場合や私有地である場合もあります。
登山道が崩壊していて入り込むと遭難してしまう。田畑のあぜ道に三脚を立てて、農家さんに迷惑がかかってしまう。
撮影に夢中で山の中を歩き回っていると私有地に迷い込んでしまいトラブルとなってしまうこともあります。
バードウォッチング・野鳥撮影は一生の趣味と呼ばれるぐらい奥の深いカルチャーです。
他人や野生動物・自然環境に迷惑をかけないように心がけましょう。

観察地の公表
昨今、誰でもネット・SNSが手軽にできる環境にあり、野鳥の情報共有が簡単にできる世の中になりました。
渡り鳥の渡来や営巣・珍鳥の情報等、発信には注意が必要となります。
情報が拡散しやすいという事は、そこに人が集まりやすくなります。
人が多く集まれば様々な価値観の方が集まります。注意看板を無視し、迷惑駐車や自然環境を意図的に変えたりする方もいます。
悪質な方は周りが注意しても、聞く耳を持ちません。
こうなると野生動物の生態系を破壊し、近隣住民の方々にも迷惑をかけ部外者は立ち入れなくなるのです。
人気の野鳥・珍鳥の観察地情報は不特定多数の方に目が留まるような公表はやめましょう。
餌付けしない
当然な事ですが、多く見られます。
野鳥が集まりやすい場所に行くとエサを撒き、餌付けをして撮影しやすくしています。
野生動物に餌付けしてはいけない理由として野性を忘れてしまう事があげられます。
エサ撒きスポットに行けば、苦労せず空腹を満たすことができます。
渡り鳥は外国から渡って来て、日本でしばらく過ごした後にまた外国へ渡っていきます。
ここで餌付けしてしまうとエサを探すという野性を忘れてしまい渡りをせず、日本国内で力尽きてしまう個体、渡りの途中で力尽きてしまうそうです。
良い写真を撮影したいという一人のエゴで環境は大きく変化します。
私が体験した実例を紹介したいと思います。
コマドリの餌付け
日本三大鳴鳥の一角の美しい夏鳥。
どこの地域に行ってもコマドリの撮影者は多く、非常に人気の高い野鳥です。
そして、執拗に追い回す方もいれば日々餌付けをしている方もいます。
エサを撒くと言ってもコマドリが来たタイミングでミルワームを一匹ずつ渡すわけではありません。
コマドリが活動する早朝前や前日の夜にエサを撒くのです。
そうするとコマドリだけでなく、留鳥のカラ類もエサを食べに来ます。
留鳥は渡りはしないので問題ないと、私は考えません。
エサを与えられているという事は野性的な動きを損なう原因となるので、捕食対象になりやすいと思います。
コマドリだけでなく、周りの野鳥・自然界にも影響は必ず出ます。

コミミズクの決闘
冬の人気者コミミズク。出現すると日ごとに撮影者を増やし100人以上の人だかりができる場合があります。
ある河川敷でコミミズクを探していた時です。
運良くコミミズクを発見でき、撮影者も少なかったので落ち着いて撮影できる環境でした。
日を追うごとに撮影者は増えて行き、最終的には50名ほどの集まるようなスポットになっていました。
足を運んで3回目、コミミズクが2羽に増えていました。縄張り争いが始まり貴重なシーンが撮影できた、野性の過酷さを目に焼き付けることができたと喜んでいました。
しかし、足を運んで4回目。コミミズクが3羽に増えていました。執拗に縄張り争いをしているのに違和感を覚え、辺りを観察した所エサを撒いている方がいました。
私有地の畑にエサを撒き、自分でコミミズクを撮影し、それに便乗して撮影者が30人ほど群がる状態でした。
エサを撒けば一ヶ所に集まるのが野鳥も人間も同じです。
何よりも個体数の少ないコミミズク同士が集まり命の取り合いをしているわけです。
怪我をして寿命を縮める可能性もあります。
それを自然の摂理だと信じ、撮影していた自分が心からむなしくなりました。
エサを撒いて、むやみな争いを引き起こした。これは非常に業が深い行為だったと私にも戒めとして心に深く刻まれました。
